私の考えるクワガタ飼育・ブリードの魅力について書いてみたいと思います。
私にとってそれは生命のダイナミックを見る喜びです。
クワガタの一生
クワガタの一生はこんな感じでしょうか(カッコの中は飼育工程です)。
①卵(産卵セット)→②孵化(割り出し)→③幼虫(初令-二令-終齢)(幼虫飼育)→④蛹化(人工蛹室)→⑤羽化(掘り出し)→⑥後食(成虫飼育)→⑦繁殖(ペアリング)→⑧産卵(産卵セット)→⑨余生(成虫飼育)→⑩☆
このクワガタの生命のダイナミックを1~2年の期間で見れることが最大の魅力だと思っています。
人間は哺乳類で、生まれたときから全部揃っていて、肉体的には後は大きくなっていくだけです。
人間の生命のダイナミックさを支えるのは主にその精神の成長過程でしょう。
それに比して、昆虫、特にクワガタのような完全変態する昆虫は、本当にその一生の肉体的変貌はダイナミックです。
そしてそのどの過程に臨んでもワクワクします。
各過程での喜びとワクワク
種親となるクワガタを入手する
自分の好きな形のクワガタを採集か購入かの手段で入手します。
採集はスリル満点、狙ったクワガタを自然の中で発見し捕まえる喜びがあります。
特に思いがけずに希少種や大型個体が採れたら格別ですよね。
購入する場合でも、昆虫ショップに行って、いろいろな種類の生体を自分の目で見て、その中から自分の一番気に入ったものを購入するのは楽しいです。
更に今はネット通販やヤフオクでも買えるから、本当に様々な種類のクワガタを写真を何回も見て、やはり自分が気に入ったものを注文・落札するのはワクワクしますし、それが家に届いたときはテンション上がります。
ペアリング
種親が手に入って、メスが飼育品なら、オスと合わせて今度は繁殖のための同居、もしくはハンドペアリングさせます。
同居させると、メイトガードしている仲睦まじいオスメスカップルを観察でき、見ててほんわかします。
同居させない場合には、ハンドペアリングで目の前でオスメスをあわせて実際の交尾を観察できます。
これはまた見てるほうもワクワクドキドキ的な興奮をもらいます。
特にハンドペアリングは、種親を飼育して最初のピークですよね。
産卵セットの準備
ペアリングが済むと今度は、メスが産卵しやすいような環境を作ります。これもクワガタの種類によって違うし、多く産ませられるように、えさや環境(材やマット)を工夫したりするのが楽しいです。
またこの産卵セットでたくさんの命が授かるんじゃないかと思うとこれまた楽しみですよね。
あの自分のお気に入りの種親そっくりなのが来年自分の部屋に一杯になるのを夢見たりして、わくわくします。
割り出し
産卵セットを時期をみて暴いていきます。
卵が出てくるかもしれないし、幼虫が出てくるかもしれない。
また何頭位取れるのかしらと思いながら材を割ったりマットを掘り返していく作業自体がワクワクドキドキです。
そして一個でも一頭でも卵や幼虫が見つけられた時の喜びは格別です。テンション上がります。
卵で採れたやつは、しばらくは一時保管して、運がよければ孵化にも立ち合えます。
生まれたての幼虫は本当に真っ白でかわいいのです。
幼虫飼育
幼虫飼育も楽しいものです。
いつもは見ていられないけど、菌糸ビン飼育だったら、幼虫を入れてから初めて食痕が見えたとき、ホットするやら嬉しいやら。
ビン越しの幼虫の姿というのも、取り出してみるのとは違う風情がありますよね。
そして、ビン交換・マット交換。
久しぶりの再会の楽しみ。
またどれ位成長しているかしらとワクワクしながらの体重計測と、それを記録していく楽しみ。
蛹の観察
蛹室と前蛹の姿を発見した時のうれしさ。
遂には無事に蛹になったのを見届けた安ど感。
そして幼虫とは全く別の形、しかも成虫の形をとどめた蛹の姿は、つい蛹室を壊してでも蛹を手に取って見てみたくなります。
そして早く羽化しないかなという待ち遠しい思い。
特に羽化が近くなり蛹の色が濃くなっていくのが分かるとワクワク感もMAXに。
羽化
待ち焦がれた羽化。
運が良ければ、蛹から羽化の様子を全部見れることもあるし、そうではなくても、途中からでも、まだ真っ白な羽とか、黒く固くなるのを待っている赤みを帯びた体とか。
どれも神秘的で、羽化の瞬間はほんと神々しい感じまでします。
それを見届けられる喜び。
掘り出し
そして待ちに待った、羽化個体の掘り出し。
あの種親のクワガタにそっくりなクワガタを掘り出し、手にのせてみることのドキドキ感。
そっくりとはいえ一頭一頭の個性を見ていく楽しみ。
親よりも大型の個体、親よりもカッコいい特徴がよく出ている個体が出てきたときの喜びはまた格別です。
生命のダイナミックを見ることの喜び
1年からおよそ2年にわたって、クワガタのこの豊かな生命のダイナミックさに立ち合うことで、たくさんの喜び・ワクワク・ドキドキをもらいます。
これこそクワガタ飼育・ブリードの最大の魅力なのだと私は思います。
一生のどの時期においても退屈なことがなく、その時々にいろいろな姿を見せてくれます。
生命の成長というダイナミックを見せてもらえるのです。
そしてそれに魅せられるのです。
結び
国産の話ですが、クワガタはカブトムシと違って、いろいろ種類があるし、それぞれに個性があり、育て方も違うところもまた魅力ですよね。
自分のお気に入りのクワガタばかりを何年もブリードするのもよし、いろいろな種類のクワガタを並行して飼育・ブリードするのもよし。
羽化の時の楽しみがより大きくなるので、ついつい増種に手が出ちゃいます。
失敗することも多々あるでしょうが、それもまた次回のリベンジに燃えたりするものです。
クワガタ飼育の魅力は、尽きないですね。
ですがやっぱり私はあの完全変態を経て成虫となる、しかも自然の不思議で昆虫の中でも独特のカッコよさを兼ね備えたクワガタムシの成長に立ち合える、その喜びに一番の魅力を感じる者です。
あなたにとってのクワガタ飼育の魅力とはなんでしょうか?
それでは!