飼育が難しくなったクワガタの殺処分について

昨年一年かけて飼育して育てたヒラタクワガタ殺処分しました。

 

経緯と殺処分の方法、その過程で感じたことを書きたいと思います。

 

 

九州産の本土ヒラタクワガタとして育てて

 

2020年5月にヤフオクで入手した九州産のWF1大型ペア個体が種親となります。

 

本土ヒラタクワガタ70㎜UP作出を夢に描いたのです。

 

種親の子どもたちは昨年の暮れから今年の5月までで順調に羽化し、20数頭が成虫となりました。

 

70㎜にこそ届きはしませんでしたが、♂は60㎜後半がほとんどでした。

 

その新成虫たちの写真の中に本土ヒラタクワガタの個体差を超えた特徴のある個体があるとの指摘が複数の方から入ったのです。

 

私が所属するSNSのグループのメンバーからのご指摘でしたが、とても信頼のおける方たちでした。

 

本土ヒラタクワガタとして育ててきて、それとしてサイズも公開していましたが、2世代を経て交雑種であることが判明してしまったのです。

 

経緯を詳しく書いた記事はこちら↓

 

羽化した新成虫たちどうするべきか

 

判明するまでは、新成虫たちの中から、掛け合わせて、今年もブリードを続けるつもりでした。

 

しかし交雑種である以上、ブリードしてそこでサイズをだしても本土ヒラタと言えないのであれば意味がないし、交雑種をブリードし続けるのはどうなのかということを考えざるえなくなりました。

 

結論的には、ブリードは断念することにしました。

 

次に昨年から今年にかけて羽化してしまった新成虫はどうするべきなのか、ということが私の中で問題となりました。

 

判明する以前に既に数頭の新成虫をヤフオクで売ってしまいましたが、それでもまだ10頭近くの新成虫を♂♀合わせて抱えていたのです。

 

はじめは、メスは出さないで、素性を明かした上でオスだけでも観賞用という前提で欲しい人がいたら譲ろうと考えました。

 

しかしこれも無責任な話で、もらわれた先でどんな扱われ方をするか分かりません。

 

本土ヒラタとして転売されるかもしれません。放虫されるかもしれません。

 

残された新成虫に関しては当然ながら私が責任を持つしかないという結論に達しました。

 

本当なら残された新成虫を天寿をまっとうするまで飼育してあげるのがよいのだと思います。

 

しかし10頭近くの大型のヒラタクワガタ新成虫を飼育する手間とコストを考えると、それは私の中で厳しいなと思いました。

 

そこで私の中で思い浮かんだのが「殺処分」でした。

 

殺処分への思い

 

当たり前ですが、やりたくないなあという思いがありました。

 

しかし飼育者が飼育が難しいと判断した時の方法は、人に譲るか、殺処分のいずれかなのだと思います。

 

今回がはじめてのことになるので、とても憂鬱になりました。

 

しかしこれも昆虫飼育者の責任なのだと思いました。

 

自分で判断し決めて実行するしかないのです。

 

倫理的にどうなのと思いますが、だからこそ殺処分なのだと思います。

 

嫁にはクワガタ飼育のことをいろいろ報告してきましたが、今回のことはどうしても伝えることはできず、黙って秘密裏にやることにしました。

 

嫁には理解してもらえないと思ったのです。

 

殺処分の方法

 

調べてみると、甲虫を殺すには、酢酸エチルを使うのが定番のようでした。

 

しかし酢酸エチルは劇薬指定されていて、購入に印鑑や身分証明が必要のようです。

 

そこでそれに代用されるものはないかと調べた結果行きついたのが、除光液(エナメルリムーバー)でした。

 

 

マニキュアをはがすときに使うものですね。

 

これなら薬局の量販店で普通に手に入ります。

 

ただいろいろ種類があるので、ここでは酢酸エチルが主成分となっているものを選びます。

 

実際に薬局に行ってみましたが、エナメルリムーバーは主にアセトンとノンアセトンの2種類に分かれていて、この内、ノンアセトンのもので、主成分が酢酸エチルとあるものがお目当てのものとなります(百均でも手に入るようです)。

 

 

私なりの使用方法を書きますが、自己流なので、要領が悪いかもしれません。

 

クワガタ生体は、酢酸エチルを揮発させて気体となったものを吸うことで死にます。

 

小さな容器に(私の場合は要らなくなった1400㏄の空のボトルを使いました)、ビニール袋を入れます。

 

その中にティッシュペーパーを2,3枚入れて、そこにエナメルリムーバーを10-20滴位たらします。

 

その上に生体を入れて、ビニールの上を結んで、ボトルにふたをします。

 

これで丸一日置きました。

 

私はマンション暮らしですので、ベランダで実行し、ベランダで1日置きました。

(室内におくとシンナー臭くなりますので注意です)

 

翌日、生体の亡くなっているのを確認し、ビニールを袋ごと燃えるゴミに出し、同時に使ったボトルもゴミで出しました。

 

結び

 

殺処分というのは、後味悪く、嫌なことでなるべくならやりたくないですが、今回これも飼育者の責任と思い、意を決してやりました。

 

大事なのは飼育者の判断だと思います。

 

飼育するのが難しいと判断した時、飼育者がいかに飼育者としての責任をとるかということではないかと思います。

 

その手段はあくまでも飼育者にゆだねられているのだと思います。

 

気持ちを新たにして、またクワガタ飼育続けていきたいと思います。

 

それでは!