福建省産ホペイオオクワガタ♂72mm。
彼もまた、殺虫剤に汚染されたマットにさらされて、狂乱錯誤の状態に陥っていました。
その期間1週間あまり。もう元のように回復し復活するのは無理だと思っていた矢先に奇跡が起こりました。
経過
狂乱錯誤の1週間の間は、無意味に動き回る、ひっくり返る、起こしてあげるとまたひっくり返るの繰り返しでした。
結局彼の場合も、個室に移して、やむなくひっくり返ったままで、管理するしかありませんでした。
彼と同じ条件だった彼のパートナーのメスは、はじめの3日間ほど平静でいられたのですが、ちょうど4日目にいきなり狂いだし、彼と同じ症状になり、ついに先日亡くなってしまいました。
彼女の最期の記事はこちら↓
結局二人ともおかしくなってしまって、我が家にいたホペイオオクワガタ成虫2ペア全部が殺虫剤の被害に遭い、あっちゃーと頭を抱えることになりました。
先に殺虫成分をあびてしまった77mmペアは、メスのほうが、一日で蘇生復活してくれていたので、72mmペアの方もメスは大丈夫だろうと思っていたところ、メスまで症状が出てしまったので、私自身絶望的な気分になっていました。
奇跡の復活
ところがです!メスが調子を崩して、3日ほど後に、つまり72mmオスが調子を崩して1週間経過の後に、朝、個室のケースを見ると、オスの姿が見えません。
あれ?おかしいな彼は、自分で起き上がれないはずなのに。
転倒防止用の材をどかし、マットの中を探してみると、なんと!オスがもぐって、しかも当たり前ですがひっくり返ってはおらず上体を起こした状態で静かにしているではないですか!
それまではずっと、(ひっくり返ったままで)もがく、疲れてちょっと動かなくなる、もがく、動かなくなる、を繰り返していたのにです。
まさかと思いつつも、すぐに手に取り、彼の状態をチェックしました。
取り出して、手の平にのせると、いわゆる足を全部体のわきに収めて、動かない姿勢を維持。
これは調子を崩してからの彼には絶対にできないことでした。
足をコントロールする能力を奪われていたからです。
しかし、足を全部体に収めてしっかり制御しています!
地面に置いてみると、しばらく動かない状態を維持した後、静かにのそのそと歩き出すというあの以前の彼のありように戻っていました。
足をしっかり地につけて、もうひっくり返ることはありませんでした。
まさかの、奇跡の復活!
しかも77mmペアと違って、今度はオスの方が復活するとは!
その後ゼリーも与えてみましたが、こちらも以前のように、というか以前にもましてよく食べています。
今では2日でプロゼリーを一個完食するまでになって、ほぼ以前のコンディションに戻っています。
覚醒
これが彼の蘇生復活劇の顛末ですが、私が一人で話してしまって彼に発言させていませんでした。
この記事の最後に彼からこの10日間に起こったことを振り返って語ってもらおうと思います。
それではどうぞ。
「一週間!生死の境をさまよって、ほんと死ぬかと思ったよ。三郎ちゃん!ほんとまじ頼むよ!このまま死んだら化けてやろうかと思ったぜ」
「でもさ、いまはこうして元気になれたし。見るもの食べるものが新鮮なんだよね。なんか病気を通り抜けて、今はいろいろよかったよ。なによりプロゼリーがこんなにおいしかったとは気づかなかったなあ。だから今は幸せさ」
「今は独りで寂しいと思うこともあるよ。だけど残りのおれの時間精いっぱい生きていくよ。特に食べることと寝ることね♪あとできれば…、やっぱまた彼女欲しいなあ。だっておれはただのクワガタだもん。」
人として、いやクワガタとして一皮むけ、改めておのれの本分に帰ったような、そんなすがすがしい姿のホペイオオクワガタ72mmオスでした。
それでは!
続きの記事はこちら