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- 三郎のきもち
今回は私が20代半ば、自力でクワガタ採集に成功してほどない頃の残念な思い出を書きます。
クワガタ好きにとってはクワガタの種類に上下なんかないんですよね、いま振り返って改めてそんなことを再発見しています。
昆虫の専門家の部屋を訪問
大学生時代で闘病しながらも、元気があるとクワガタのいそうな郊外の公園を探して、放浪していた時期でした。
おそらくむし社の『月刊むし』の広告で、中野に主に標本を扱ったお店があることを知りました。
主にクワガタ、カブトの国内外の標本です。
どんな標本があるのだろうとお店(マンションの一室)を訪問することにしました。
ベルを押すと初老の男性が出てきて、部屋に入れてもらいました。
すると部屋中、標本だらけ。
「これはインドのオオクワガタですよ」と見せてもらったのは、当時は名前さえわかりませんでしたが、おそらくアンタエウスオオクワガタだったのだろうと思います。
年の半分近くは海外に出て採集しているとのこと。すごい人だなあと感心して、尊敬のまなざしで話を伺っていました。
わ~、スケールの大きな話だ~。
私は新宿区在住でクワガタ採集も都内の公園とかを探している程度でしたから(しかも闘病中)、当時の私の現実とはかなりかけはなれた話です。
今度は私のことを話す番になって、
そこで男性から恐怖の質問が!
その時私はコクワガタを飼っていました。野外採集したものです。
私がその時採ったことのあるクワガタはコクワガタだけでした。
ショップで購入したオオクワガタも飼っていたとは思います。
しかしこんなすごい採集家を前に、購入したオオクワガタのことは言いたくなかったのです。
嘘です。
私はてんぱってしまって嘘の上塗りをすることに。
中学時代の同級生が新宿に引っ越す前には鎌ケ谷に住んでいてクワガタが一杯採れたという話をしていたのを思い出して、思わずそう言ってしまいました。
コクワガタは別のところで採りましたが、その採集地にヒラタが生息しているかどうかわからないので、そこは避けてそのように言ったのです。
そしたら、さらに追い打ちが!
ええー!この人鎌ケ谷にも採集ポイント持っているの!!
わたしはたじたじになりながらも、
そこまできてもう私は早くこの場から立ち去りたい思いでいっぱいです。
そこへちょうど他の来客が来て、幸い採集地の話はそこで中断され、ほどなくして私はそのマンションの一室を後にしました。
もう一つの教訓
私はカッコつけてしまったのです。
昆虫のすごい専門家を前にして、コクワを採集して飼っているだなんてカッコ悪すぎて言えなかったのです。
できることならオオクワを自己採集して飼っているといいたかったな~
この思い出は長らく、嘘はつくものではないという教訓的な経験として私の中に残っていました。
でも今から考えると他にも間違っていたことがあったなと思うのです。
大学生にもなってコクワしか採ったことがない、コクワ飼っているのはカッコ悪い、みたいな考え方自体が情けなかったなと思うのです。
私は自分で採集したコクワガタをとても大事に思っていたのです。
それなのにそういう嘘をついてしまったのですよね。
そもそもクワガタ好きな人にとって、クワガタの種類に上下なんかないんじゃないか。
今になってそう思います。
確かにはやりすたりはあるし、安価とか高額とかってあるかもしれないですが、生体はみんなそれぞれに個性があり魅力があります。
他の生体・種と比べて上とか下とか、価値があるとかないとかそういうのは違うんじゃないかって。
コクワガタしか採集したことがなかったことも、それを飼育していることも恥じることではないし、見栄をはることでもなかったなーと思います。
せっかくすごい昆虫の専門家と出会えたのに、私の小さな見栄でそのご縁をだめにしてしまって、馬鹿なことしたなと思うのです。
若気の至りだあ~
結び
今は改めて国産カブトムシやコクワガタ、ノコギリクワガタにも興味がわいてきました。
遠くの国の高価なむしもいいけれど、日本にいる自分のそばにいる虫たちとももう一度向き合ってみたいとおもうこの頃です。
それでは!