オオクワガタのメスをペアリング、産卵セット投入するに当たっての注意点を書いておこうと思います。
このことが原因で、国産オオクワガタとホペイオオクワガタの産卵数に大きく差が出たのではないかと思います。
ホペイオオクワガタ(森田プラチナ)の産卵セットの割り出しを6月5日に実施し、卵が20頭採れました。
孵化不全もあり、また幼虫を痛めたりもあって、数を減らしてしまいましたが、結果16頭が現在800㏄菌糸ビンに投入されています。
国産オオクワガタ(森田ゴールド)は29個の卵と1頭の幼虫が採れ、卵は全て孵化し、現在は30頭が菌糸ビンに投入されています。
ホペイ、産卵数も国産に比べ伸びなかったし、卵もうまく孵化しなかったのもありで、ちょっと差がついてしまったなあと思っていたのですが、最近ふと思いついたことがあり、それが原因なのではと思うようになりました。
国産とホペイの違いもあるし、メスの個体差もあるので、なんとも言えませんが、メスの状態に今思えば、国産メスとホペイメスではだいぶ違いがありました。
ペアリング前‐ペアリング中‐ペアリング後の2頭のメスの様子を思い出してみると、国産メスは、ペアリング前から終始、食欲旺盛、一方ホペイメスは、まだそこまで食欲に火がついていないようでした。
今期は、この2種のオオクワガタを同様の手順を踏んで、産卵セットに投入しました。
①ペアリング準備 24度温室へ(04.19-04.27)
②ペアリング(04.28‐05.05)
③単独飼育(05.05‐05.16)
④産卵セット投入(05.17-06.03)
①の段階で、自室だとまだ22度位でしたので、活動を活発化させるために2ペアを簡易温室に入れて、加温しました。
種親たちは当初、既におきていましたが、動きが鈍く、食欲もそんなありませんでした。
この期間を10日しかとっていなくて(というのもスケジュールありきでやっていたから)実際には、国産メスとホペイオスはかなり食欲がありましたが、国産オスとホペイメスはこの時期食欲は上がらず仕舞いでした。
②ペアリングは1週間同居させてうまくいったと思います。
③ペアリングを解消させてから産卵セット投入まで12日間あけました。
国産メスは貪欲にゼリーを食しておりましたが、ホペイメスは依然として小食だったのですね。
交尾後はメスは特に食欲旺盛になると言われているので、気にはなっていたのですが、様子をみていました。
結局、ホペイメスの食欲はこの12日間でも上がりませんでした。
私はブリードのスケジュール通りにしたくて、その後国産メス・ホペイメスともにすぐに産卵セットに投入してしまいました。
今になって考えてみると、ホペイメスは、活動(食欲・生殖)にまだスィッチが入っていなかったのではないかと思います。
産卵セットに入れた後も観察してみましたが、国産メスは、すぐに産卵木をかじりはじめていました、ホペイの産卵セットはというと、メスの産卵木への食いつき(かじり)は確かにおとなしい感じでした。
現在は、ホペイメスも完全に目覚めた様子で、ゼリーを2日位で完食するようになっております。
国産メスは相変わらず食欲旺盛です。
私の結論としては、オオクワのメスによく産ませるためには、ペアリング前・ペアリング後の準備期間を十分とって、特にメスの活動性をあげておく必要がある、ということです。
国産オスはペアリング前後も活発性がなく、小食でした。
一方ホペイオスは、ペアリング前後から全開で、食欲旺盛でした。
メスたちと反対ですね。
ですが国産メスは、産卵セットに入れたらバンバン産んでくれましたし、卵も全部孵化しました。
一方ホペイメスのほうは、国産オオより10個少なく、しかも孵化不全も数頭ありました。
産卵セット組むときは、羽化して半年以上の成熟した個体を種親にすることはもちろんですが、特にメスが活動的で食欲旺盛になった状態で、ペアリングや産卵セット投入に臨むことが大事だということにいまさらながらに気づきました。
ペアリング後、1か月位はメスを単独飼育して、しっかりゼリーを食べさせ熟成させる、というのもきいたことがあったので、ホペイメスに関しては、スケジュールとは関係なく、実際の状態をみて、産卵セット投入を遅らせればよかったと、ちょっと後悔しております。
結び
次回オオクワの産卵セットをプランするときは、メスを産卵セット投入までの間にしっかり起こして、食欲旺盛・活動的になるのを待ってから、ペアリング-産卵セット投入、したいと思います。
その場合には、3月終わりから4月の上旬には、簡易温室入れておかなければならないかな。
単なる個体差の問題かもしれませんが、今回国産とホペイを同時に同じような環境で産ませたので、その結果を振り返りつつ、自分なりに結果を考察してみました。
彼らの幼虫たちは菌糸ビンの側面に顔を出し始めています。
それでは!