都会っ子の初めてのコクワガタ採集体験記

初めて自力でクワガタ採集した時の体験を語りたいと思います。

 

毎回ボーズが続いていて、その夏もあきらめかけていたころです。

 

思いもよらず、その時は来ました。

 

ポイントになったのはあの4つでした。

 

 

 

採集地(雑木林)を探す

 

採集地は埼玉と東京の境目にある狭山丘陵です。

 

当時はまだネットがそこまで普及していませんでしたから、本を見て調べました。

 

雑木林があるところでなきゃ採れないということはわかり始めていたので、書店に行って東京都の自然観察、自然散策などのガイドブックを見て回りました。

 

そこで見つけたんですよね。「狭山丘陵見て歩き」って本を。

 

 

そこには狭山丘陵の森は主に武蔵野の雑木林で構成されているとかなんとか書いてあって。

 

よしここだ!

 

お勧めの散策コースが12選紹介してありました。

 

その中の6コース位は後々実際に歩いたと思います。

 

その一番目に行ったコースで、初採集の体験をしたのです。

 

そのコースに決めたわけは、コース解説のところに、「ここはカブトムシ、クワガタがたくさんいる素晴らしい雑木林です」と書いてあったからです、それに目がくらんだのですね。

 

12のコースの中でも、カブト・クワガタを名指して紹介していたのはそこだけだったので、まずここに行こうと決めました。

 

時期

 

時期ですが、その時はもうお盆過ぎでした。6月7月に何をしていたか覚えていませんが、なんだかんだ言っていつも動き出すのが遅いのです。

 

多分そのころはまだ大学に在籍していて、前期の授業が終わるのが7月末だったと思います。

 

夏休み入ってからいろいろ調べて動こうとすると結局、お盆すぎ位になってたのかもしれません。

 

今考えるとそれも採れない要因だと思います。

 

採集当日

 

15時ごろ、西武球場前駅を降りて、多摩湖のほうに向かってコース通りに歩いていきました。

 

目標の森までは駅から25分位です。

 

目的地の手前200m位の道路の左側にも雑木林が柵越しに続いていました。

 

ふと目をそちらに向けると、いました!コクワガタが。

 

お!いたじゃーん!

 

私は興奮気味にコクワを素手で素早くゲット。虫かご替わりにもってきたタッパーに一匹いれました。

 

これは幸先いいぞ!

 

ほどなくして目的地の林の前に到着。

 

いよいよだとドキドキしながら、雑木林の中に入っていきました。

 

 樹液の出ている木を探す

 

 

最初に目に入ってきたクヌギは、少し樹皮が痛んでいるところがあって、樹液が出ていたような跡もありました。

 

注意深く周りを見てみると、はやり今は樹液は出ていません。

 

惜しい!

 

さらに周りの木を見ながら小道を歩いていくと、ちょっと開けた場所に比較的大きなクヌギの木がありました。

 

近づいてみると、

 

いました!またコクワガタです!

 

このクヌギよく見ると、樹液を出しています!

 

やった!樹液の出ているクヌギの木を見つけたぞ!

 

反対側を見てみるとこちらも樹液が出ています。

 

根元のほうに目を向けると、はやりここにも樹液が出ていて、コクワガタがついていました。

 

やった!またコクワガタだ!私は小躍りしつつ、急いで木に付いているコクワガタをつかんでタッパーに詰め込みました。

 

この大クヌギが、私の初めての採集ポイントとなったのです。

 

雑木林の小道をさらに進んでいくと、結果樹液の出ている木を後2本ほど発見することができました。

 

採集時間帯

 

一時間位見て回ったのち雑木林の入り口まで戻りました。

 

それが17時半過ぎ位だったと思います。

 

近くに芝生の広場がありましたから、そこに腰を下ろして、日没の19時まで休憩することにしました。

 

そうそう、虫よけは必須ですよね。再度虫よけを付けて。

 

そしてお楽しみ、先ほどのコクワガタをタッパーから出して観察することに。

 

あ~、クワガタをとうとう自力で採った、とれるなんて!

 

しみじみと採ったコクワを見ながら嬉しさをかみしめ、これから日没後に再度雑木林に行くことが楽しみで、ワクワクでした。

 

オス、メス両方合わせて既に5匹いました。私はそれでもかなり満足だったのです。

 

本当にこれが生まれて初めてのクワガタ野外採集でした。

 

日没、いよいよ採集本番

 

 

19時になりました。いよいよ採集本番です。

 

18時50分でもまだ周りは明るかったですが、19時過ぎると急速に日は落ちていきます。

 

雑木林に入っていくと、中は既にほとんど真っ暗でした。

 

ライトを持ちながら、大クヌギのポイントへ迷うことなく向かいます。

 

ライトをあてます。

 

おー!いるじゃん!!

 

コクワガタが方々から、どんどん出てきています。

 

私は取れるだけのコクワガタを一心不乱でタッパーに入れていきます。

 

続いて他の2本のポイントへも暗い足元を照らしながら慎重に向かいました。

 

そちらでも大クヌギのポイントほどではなかったですが、やはりコクワをゲット。

 

再度Uターンして大クヌギのポイントを見に行くと、やはりそこでもコクワをゲット。

 

ああ~!きょうはもう十分だ~。

 

先ほどの休憩地点に戻ってきて、タッパーの中を開けてみると、大小オスメスたくさんのコクワガタがうごめいていました。

 

30匹はいたと思うので、さすがに全部持って帰るのは多すぎるなとおもい(嬉しい悲鳴)、選りすぐりの20匹以外は逃がして、それで帰途、西武球場前駅へと向かいました。

 

苦節20年ついにクワガタを自力でゲット、新宿駅西口から徒歩15分の実家で育って、ようやくこの年になって小さい頃からの夢をかなえたのです(小さい頃からの夢はオオクワガタを採集することだったんじゃね~?)。

 

長い、長い道のりでした。

 

私はうれしくて、駅の公衆電話で、早速母親にきょうの収穫の報告をしました。

 

「コ、コクワが、コクワガタが採れたよ、20匹も採れたよ!」

 

母「それはおめでとう、よかったね」

 

「山本三郎、ついに、ついに男になりましたー!!」

 

すいません、これは言っていません。

 

ですが、本当にそんな気持ちでした。

 

帰途につきつつ、私の人生初めてのクワガタ採集は終了したのです。

 

考察

 

帰りの電車の中で、山口進先生の『クワガタ大百科』に書いてあったことを思いだしました。

 

 

コクワガタは5月~9月終わりまで見られるが、ノコギリクワガタやヒラタクワガタなどの中型種やカブトムシのシーズンが終わった晩夏に多くみられると。

 

まさに書いてある通りだと思いました。

 

やたらコクワばかりと思いましたが、そうだったのです、カブトムシでもクワガタでも夏なら採れるとかいうものじゃない。

 

5月、6月、7月、8月、9月、初夏から晩夏まで、種類によって取れる時期が違うんだ、ということを初めて実感したのです。

 

だから狙うターゲットによって採集時期をしっかり見定めて採りにいかねばならないのだということもその時ようやくわかりました。

 

そして、以前の記事で書いた4つのポイントですが、これが初めて成立したのもこの時だっだように思います。

 

 

雑木林があり、樹液の出ている木を見つけ、時期を間違えることなく(今回コクワの時期に遭遇したのはたまたまですけどね)、適切な時間帯を狙う(時間帯も無論クワガタの種類や場所や採集方法によっても違ってきます)。

 

いろいろな学びがあり、そして感動的な一日でした。

 

 

結び

 

もう20年以上前の話ですが、いまでもよく覚えているものです。

 

ちょっとコロナ禍で昆虫採集も家族から禁止されているので、今後も思い出深い採集体験談(失敗談?!)書いていけたらなと思います。

 

それでは!