年内に温度管理している本土ヒラタクワガタの半分以上が羽化してきます。
それに向けて羽化不全の防止対策について調べましたので、それを今回はレポートします。
羽化不全を100%防止する方法はなく、その確率をできるだけ下げていくというのが羽化不全対策の考え方のようです。
羽化不全の原因と対策
①菌糸ビン飼育と暴れ(アバレ)の問題
菌糸ビンで幼虫を飼育していくと、3令幼虫に菌糸ビン交換をした場合、アバレ現象が起きることがあります。
アバレが起きて、そのまま放置すると、体重が縮んだり、羽化不全につながることもあるようです。
アバレの予防法及びアバレが起きたときの対処法はこちらの記事に詳しく書きました↓
上記の記事は菌糸ビンを使うことを前提にしたものですが、もう一つの方法として、後期3令幼虫の菌糸ビン交換のタイミングでマットボトル飼育に変更する手があります。
マット飼育にすることで、アバレ現象は起きなくなりますし、それによって引き起こされる羽化不全も防げるようです。
菌糸ビンで初令~3令中期までで大きく育て、育ち切った3令後期からは安全で安定のマット飼育で育てるやり方です。
コスト的にもこちらのほうが安く抑えられます。
私は3令幼虫後期のビン交換時には、菌糸ビンからマット飼育に切り替える方針でいます。
本土ヒラタの幼虫飼育プランについての記事はこちら↓
②ビン底に作られた蛹室の問題
菌糸ビンもしくはマットボトル飼育の蛹室の位置の問題で、ビン(ボトル)底に蛹室を作ってしまうと羽化不全になる可能性が高まります。
羽化がはじまる直前には蛹のお尻から体液が出てきますが、ビン底だとそれを吸収するものがないので、羽化時にびちょびちょになって、羽がきれいに閉じず、羽化不全に至ってしまう場合。
また羽化する時は、蛹は仰向けの状態からうつぶせの状態に体勢を変えますが、この時、蛹室の底が完全にビン底になっている場合は、引っ掛かり少ないので、うまくうつぶせになれず、仰向けのまま羽化することになり、それで羽化不全に至ってしまう場合。
ただ蛹室の底が若干ビン底になっている程度なら、問題なくうつぶせになれるので羽化不全は少ないようです。
ビン底に蛹室を作ってしまった場合の対処法として、菌糸ビン(マットボトル)を逆さにするという方法があります。
逆さにすることで上に述べたビン底でのデメリットを防ぐことができます。
気を付けるべきは、菌糸ビンを逆さにするタイミングです。
菌糸ビンを逆さにして大丈夫なのでは前蛹状態の時です。
蛹室には傾きがあり、蛹になると頭が上でお尻が下になります。
前蛹だと菌糸ビンを逆さにしても、上下を自分で逆転させることができます。
完全に蛹になってからビンを逆さにすると、蛹室の傾きが頭とおしり上下逆転してしまい、それが原因で羽化不全を招いてしまうこともあるので注意が必要です。
最終的には人工蛹室
ビン底べったりや、ビン底と側面にもまたがって蛹室が作られてしまった場合は羽化不全率が一層高まります。
また蛹になってから蛹室がビン底にあるのを発見した場合でもそうです。
こうした場合は人工蛹室での管理が無難と言えそうです。
人工蛹室に関しては、私自身はまだ経験がなく、できれば蛹をあまり触りたくないという気持ちもあるので、どうしても人口蛹室というタイミングが来たら、チャレンジしてみようと思います。
園芸用品のオアシスで人口蛹室を作る方法が有名ですが、ティッシュペーパーで作ってしまう方など人によってやり方があるようです。
私は初めてなので、人工蛹室にチャレンジするときはオアシスで作ってみようと思います。
人工蛹室の作り方は、ネットでもたくさん情報が載っているのでそれを参考にしていただければと思います。
私が人工蛹室を作ってうまくいったときには、ぜひそれを記事にさせていただきます。
結び
羽化不全はメスに比して圧倒的にオスに多いようです。
神経質になり始めるときりがないですが、いざというときのために対応できるようにしておきたいと調べてみました。
飼育方法に正解はないと思うので、今回の記事も参考程度にみていただければと思います。
またよりよい羽化不全の対策法等あれば、ぜひお聞かせいただけると幸いです。(その場合は、コメント欄かお便りフォームでぜひ!)
それでは!