巨大オオクワガタ作出のための幼虫飼育の改善点(産卵セット編)

今回は、オオクワガタ産卵セット組み方について書きたいと思います。産卵セットとはクワガタのメスが産卵できる環境を用意してあげることです。

 

 

 

産卵材

 

オオクワガタは広葉樹(主にクヌギやコナラ)の朽木に卵を産む「材産み」のクワガタなので産卵木(さんらんぼく)が必要です。産卵木は2種類選べます。

 

・シイタケホダ木

 

シイタケ栽培収穫後のホダ木(主にクヌギやコナラ)を産卵木として使用するのが一般的です。

 

昆虫ショップの店頭でも買えますし、今は大抵の昆虫ショップがネット通販にも対応しています。太さ(直径)は8cm~12cm位が手ごろです。このサイズで中・大ケースで2~3本入れられます。

 

産卵木の堅さは堅すぎず柔らかすぎずで、断面に爪を立てて跡が少し残るくらいがベストだそうです。それを見ぬくには経験がものいいそうです。

 

もし昆虫ショップの店頭で買うのなら、スタッフに選んでもらうのが安心ですね。

 

材は2本は入れたほうがいいといわれています。メスはどちらか気にいったほうを選んで主にそちらに産んでいきます。

 

もちろん両方の木に産むこともありますが、1本だけだと産みがわるく卵・幼虫があまり取れない原因にもなってしまいます。

 

・植菌材(菌糸材)

 

 

加水され殺菌後、野外でオオクワガタが好むカワラ菌やニクウスバ菌を植菌した産卵材です。大抵2本一セットで売っています。

 

シイタケホダ木の産卵木との一番の差は、産卵確率が上がるということでしょう。メスの産卵スィッチがホダ木に比べ入りやすいという理解ですね。ホダ木に比べお値段が張ります。

 

(ホダ木産卵木 一本 200~400円 / 植菌材 一セット 1500円程度)

 

この個体の子孫はどうしてもほしい、たくさん産んでほしいという場合は植菌材を使う価値があると思います。

 

植菌材については西日本こんちゅう社のこちらのページが良くまとまっています。

 

ブリードするのに卵があまりとれなくてもいいという人はいないと思うので、やはり人気ですね。しかし実際にはホダ木で十分産卵するというのも真実です。

 

最寄りの信頼できる昆虫ショップを探すには、むし社が年に4回発行しているクワガタの専門誌ビー・クワがお勧めです。ぜひ一冊だけでも購入をお勧めします。記事間に全国の昆虫ショップの広告がたくさん掲載されています。

 

 

産卵木の処理

 

シイタケホダ木を使う場合は、加水して、その後樹皮をはぎます。

植菌材は既に加水してあるので、袋から出したら、樹皮をはぐだけです。

 

加水の前に樹皮をはぐのは硬くて大変なので、加水した後にしましょう。

 

樹皮は私たちのほうではがなくても、メスが自分ではぎます。その後産卵を始めるのです。

 

前もって樹皮をはいでセットするのはメスの省エネとすぐに産卵活動に入れるようにするためです。

 

ホダ木の加水処理に関しては、諸説ありますが、ビー・クワ71号p101には「30分から60分水に浸けて、その後半日位陰干しする」とあります。

 

昆虫系ユーチューブチャンネルを運営されているTOP GUNさんが「バケツたっぷりの水に15分間浸けておくので十分」と解説している動画を見つけました。

 

私はホダ木を産卵木にするときにはこの手法でやりたいと思っています。今年のブリードには植菌材を使うことにしましたが。

 

飼育方法は人によってやり方が若干違ってきます。どれに従うべきかと言えば、自分のやりやすいほうを採用していいのだと私は考えます。

 

 

産卵セットを組む

 

用意するもの
・中・大ケース
・埋め込みマット
・産卵材
・メス用のゼリー
・転倒防止用の木

 

埋め込みマットに関しては、私は成虫管理用のクヌギの未発酵マットを加水して使っています。加水の程度は、手でマットをぎゅっと握ってみて、型崩れしない程度であればオッケーです。

 

いよいよ産卵セットを組みます。

 

①ケースに底3~4センチ位までマットを敷き詰める

 

②産卵木を2本セットする

 

 

③その上からマットをかけて、材の表面が若干でるところまで埋め込む

 

④メスのゼリーを入れ、必要に応じて転倒防止用の木を入れて完成

 

 

メスを取り出すタイミング

 

ペアリング(交尾後)をしたメスであれば、即日から2、3日で産卵を始めるようです。材をかじりながら産卵をしますので、次第にマットに埋めた産卵木が浮き出してきます。

 

メスは産卵モードに入るとえさを食べないので、セットしてしばらくゼリーを食べていないようなら産卵している確率は大です。

 

また2本入れた場合、かじってないほうの産卵木に青カビ等が生えることがありますが害ではないので放っておきましょう。メスがかじり始めると自然とカビも取れます。

 

産卵セットにメスを入れたら、暗い場所でなるべくそっとしておきます。

 

産卵具合をみるために、ケースのふたを開けてみるのはいいですが、産卵木を頻繁にひっくり返したり、メスを刺激したりするのはよしましょう。

 

えさのゼリーがなくなっていれば随時取り替えてあげます。

 

メスは産卵セットに投入してから1か月後に取り出すことにしています。卵は2~3週間で孵化します。卵ではなく幼虫になってから取り出す場合には、メスを取り出してから3週間から1か月後に産卵木の割り出しをします。

 

結び

 

今回はオオクワガタの産卵セットの組み方ついて今までの自分の経験を振りかえりつつ文献なども参考にしながらまとめてみました。少しでも参考になる点があれば幸いです。

 

5月29日時点でホペイオオクワガタ72mmペアでのペアリング・産卵セット・メスの取り出しまで完了しております。このペアでの幼虫の割り出しは6月21日前後を予定しております。

 

初齢幼虫の割り出し、菌糸ビン飼育につきましてはリアルタイムで書いていきたいと思います。

 

次回は、ヤエヤママルバネ、ホペイオオクワガタに続いて、ヤフオクで入手した宮崎県産本土ヒラタクワガタ68mmペアについてレポートしていきたいと思います。引き続きよろしくお願いします。

 

それでは!