2020年飼育種を振り返る④-ミヤマクワガタ

7月20日にヤフオクで神奈川県産ミヤマクワガタWDの2ペアセットを落札しました。

 

憧れのクワガタでありましたが、今まで適切な飼育ができなくてすぐに☆にしてしまっていた種です。

 

しかし今年はしっかりミヤマクワガタと向き合うことができました

 

彼らとのこの1年を振り返ります。

 

 

 

今まで飼育がうまくいかなかった理由

 

ミヤマクワガタ飼育のポイントは、

 

①温度管理

②湿度管理

 

の二つです。

 

ミヤマクワガタの飼育の適温は20度前後だったのですね。

 

それを知らずに常温で飼育していたのが彼らをすぐ弱らせてしまう原因でした。

 

特に産卵させるときには、18度位がいいようです。

 

またミヤマクワガタは湿度も大事なのですね。

 

それまで乾燥に強いオオクワガタを主に飼育していたので、そのノリでミヤマクワガタを飼育していたことが、やはりすぐに弱らせてしまう原因だったようです。

 

今回は温度管理と湿度管理を徹底してやることで、ミヤマクワガタ成虫の天寿を全うさせ、産卵‐幼虫の採取までに成功することができました。

 

入手した生体の紹介

 

神奈川県産ミヤマクワガタWD

♂68㎜、62mm 2頭、♀37㎜、36㎜ 2頭

 

 

 

 

採集日7月14日のWDで、私がヤフオクで落札したのは7月20日です。

 

値段は落札額2900円+送料657円で3557円となります。

 

かなりお手頃価格ですよね。

 

届いた生体はどれもとても元気で、フジ型のミヤマでしたがとてもかっこよく満足でした。

 

ブリードに挑戦

 

飼育目標は、まずはミヤマ成虫をしっかり飼育すること、天寿を全うさせること。

 

そしてブリードでした。

 

温度管理が至上命題でしたので、簡易保冷室を作って、そこで飼育を開始しました。

 

 

 

メスはWDで持ち腹のはずですので、はじめは37㎜を産卵セットに投入して様子を見守りました。

 

ところがこの子が、なかなか潜らず、10日位様子を見ていたのですが、ずっと潜らなかったので、こりゃあかん、と思い、産卵セットをあけてみましたが、案の上、卵は一つも見つかりませんでした。

 

嫌な予感がしたので、産卵セットをばらす3日前にもう1頭のメスを62㎜の♂と同居させて、スタンバイさせておきました。

 

 

初めに入れたメスは10日で1個も産卵していなかったので見切りをつけて、産卵セットを組みなおし、同居させていたメスを新たに産卵セットに投入しました。

 

すると今度はいい感じで潜ってくれました。

 

3日に1度位ゼリーを食べに来て、また3日位もぐる、を繰り返していました。

 

メスを産卵セットから取り出したのは、2週間後の8月12日です。

 

ヒラタやホペイオオクワの産卵セットも組んでいたので、あまり産ませ過ぎても困ると思い、2週間でメスを取り出したのです。

 

ヒラタクワガタもミヤマクワガタもマット産みです。

 

ヒラタはケースの底や側面に卵を産み付けてくれるのですが、ミヤマはそうではなく、産座を作ってそこに卵を産んでいくのですね。

 

ですからケースの外から卵を確認することができないわけです。

 

ミヤマクワガタのブリード初めての私にはそれはとても不安でした。

 

またリスクを避けるならば、産卵セットは幼虫になるのを待ってから開けるのが望ましいときいていました。

 

しかし卵を産んでるかどうかも定かでない状態で2か月位待たねばならないわけです。

 

そこまで待つのは私にはきつかったのです。

 

当初は2か月後に割り出しをと思っていたのですが、メスを取り出して2週間後の8月27日に割り出しをしてしまいました。

 

するとラッキーなことに、22個の卵を採取することに!

 

思えばこの時が一番幸せな時でした。

 

 

卵が孵化せず…憂鬱な時代が続く

 

初めてのミヤマクワガタのブリードで卵を採取できたことはとてもうれしく自信につながりました。

 

ちゃんと適切に飼育してあげれば、成虫飼育もブリードもそこまで難しくないのだ、という気持ちになっていました。

 

成虫は引き続き簡易保冷室の中で、毎日霧吹きをかけてあげながら飼育し、採取した卵も同じ簡易保冷室の中に保管して、孵化を待ちました。

 

ミヤマクワガタの卵の孵化は3‐4週間ときいていたので、9月の中旬位には全部孵化すると思っていたのですね。

 

それが9月15日過ぎても、1頭も孵化してくれず、これで私の心はかなりブルーになっていきました。

 

簡易保冷室といっても、1日3回冷凍ペットボトルを取り替えることで維持していました。

 

毎日ふたを開けて冷凍ペットボトルを入れ替えるその都度、卵のチェックも必然です。

 

孵化が1か月以上たっても見られないというのは、なかなか精神的にきつかったです。

 

1頭も孵らないわけですから、下手すれば22個の卵が全部孵らないかもしれないという思いに襲われ、それを考えるとブルーな気持ちになってしまうのですね。

 

卵の中には、腐ってしまったものもあったので、それを見習って他の卵たちも続々孵化不全を起こしてしまうのではないかと非常に落ち込みました。

 

卵産ませるまではうまくいったが、卵管理がだめで、ここまでかと青ざめていたのです。

 

待望の孵化ラッシュ

 

そんなブルーになる予想を裏切って、10月9日に孵化1頭目が誕生し、ここから孵化ラッシュが始まりました。

 

10月9日というと、メスを取り出したのが8月12日なので、ほぼ2か月かけての孵化ということになります。

 

 

その後、順調に毎日のように孵化がありまして、最後の孵化は11月4日の1頭でした。

 

実に、メス取り出し日から数えて、2か月と20日かけての孵化でした。

 

9月~10月のこの2か月間は、非常に密にミヤマクワガタと向き合う時間となりました。

 

成虫たちは

 

ミヤマメスは9月中に2頭とも亡くなってしまいましたが、オスは2頭とも長くしっかり生きてくれました。

 

大型の68㎜のオスが10月7日、62㎜は11月6日まで生きてくれました。

 

(11月4日撮影)

 

このことはミヤマは短命だという私の勝手な思い込みを正してくれました。

 

結び

 

今年のミヤマクワガタの飼育は、今までの私の勝手な思い込みを正し、生き物なので教科書通りにはいかないということを教えてくれました。

 

そしてそんなところに飼育の楽しみや感動もあるということを教えてくれました。

 

ミヤマの幼虫は、結局全部で18頭が孵化して、現在はプリンカップに入れて飼育しております。

 

2021年2月に入ったらプリンカップを開けて、雌雄判別をし、幼虫飼育も本格化していく予定です。

 

幼虫飼育は基本放置ですが。

 

温度管理だけはしっかりやって、来年?再来年?の羽化まで粘り強く飼育していきたいと思います。

 

今年は初めて、ミヤマクワガタを本当に知った年となりました。

 

我が家に来てくれたミヤマちゃん、ありがとうね。

 

子どもちゃんは、大切に育てますから。

 

それでは!