昨年ヤフオクで入手した宮崎県産本土ヒラタクワガタですが、次の世代の個体たちが羽化してきました。
その中に普通の本土ヒラタには見られない形状の大あごをもつ個体が見つかったのです。
この件について分かったことと、私の対処をレポートします。
SNSグループのベテランメンバーからご指摘を受けました
私はSNSで昆虫系のグループに参加しているのですが、そこで私の飼育の投稿やこのブログの記事のシェアもさせていただいています。
今回はこのグループのかなり眼識のあるベテランメンバー数人から以前のブログ記事に載せた羽化写真の中に普通の本土ヒラタにはない特徴のある個体があるとご指摘をいただきました。
問題の羽化写真の掲載されている記事はこちら↓
問題の個体は一番初めに出てくる69㎜の個体です。
この個体の大あごの基部から内歯に伸びる尾根筋がやけにクッキリしている、とのご指摘でした。
他の個体と見比べてみて、素人の私はあまりその違いがわからず、その旨を伝えると、ご丁寧に、次の写真を作って送ってくださいました。
外側のが69.5㎜の写真で、内側のが69mmの写真です。
確かに内歯の位置も高く、また大あご基部から尾根筋がクッキリと浮き出ているのがわかります。
これらの違いは本土ヒラタクワガタの個体差ではないようです。残念ながら本土ヒラタとは異なる形質のようなのです。
さらに、「クワガタムシで同じ親から生まれた兄弟で個体変異幅を除き異なる形質の子が羽化した場合、その個体はすべて雑種であると思われます」、とご指摘いただきました。
九州産の本土ヒラタで大型の種親を入手して、本土ヒラタ70㎜オーバーを目指して昨年からブリード頑張ってきたのですが、その次の世代の個体の特徴から、その種親自体が雑種であることが判明してしまったのです_| ̄|○
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三郎の気持ち
とても残念です。
以前は東京産のヒラタクワガタをブリードして、60㎜位のものを作出したことがあったのですが、その時は、私自身の飼育技術もつたないこともありましたし(今もですが(;^ω^))、なかなかそれ以上大きくならないで終わってしまいました。
図鑑では本土ヒラタは70㎜を超えるとのっているので、70㎜本土ヒラタは憧れでした。
その後、西側の、特に九州産の本土ヒラタは大型化するということをきき、いつかは九州産ので70㎜の本土ヒラタを目指してみたいと思っていました。
昨年ついにその機会を得たと思って、ブリードに励んでいたのですが、出てきた子どもから、今回のことが発覚してしまいました。
できることなら間違いであってほしいですが、とても尊敬できる方々からのご指摘でしたので、これは事実を受け止めなければならないと思っています。
この種親からの同腹個体たちでの繁殖は諦めようと思います。
九州の本土ヒラタには、交雑種が紛れ込んでいるとのこと、気をつけなければならないということはきいてはいましたが、まさか自分がそれに遭遇してしまうとは思っていなかったです。
しかし同時に、今回のことで、ヒラタクワガタ事情や放虫問題など深く考えさせられ、とても勉強になりました。
今回のこともまた大事な体験として糧にしつつ、また自分の好きなクワガタの趣味活動をやっていきたいと思います。
ブログ読者様の中で、鑑賞用に欲しいという方いませんか?
羽化した子たちの今後なのですが、実は既に結構、ヤフオクで出品してしまっていて、数はもうそんなに残っていないのです。
しかし今年種親として使おうと思ってたペアをいれたら、まだ10頭近くいます。
種親に使おうととっておいたペアも、繁殖には使えなくなってしまいましたが、それも含め多くのオスが70㎜には届いてないとしても立派なサイズです。
そこでオス単品のみになりますが、欲しい方がいらっしゃったら事情を理解していただいた上でお譲りしようと思っています。
今回ブログに事情を書かせていただきましたので、まずはブログ読者様の中で、鑑賞用に欲しいという方がいらっしゃいましたら、オス単品、お譲りしたいと思います。
ブログ読者様からのニーズがなければ、住んでいる地域で飼育していただける方を探したいと思います。
現在残っているオスの個体のサイズは以下の通りです(素人採寸御免)。全6頭。
2020年12月羽化 69㎜ 2頭
2021年2月羽化 69mm
2021年3月羽化 67mm
2021年4月羽化 69mm(尻出し)
2021年4月羽化 68mm(尻出し)
おひとり様1頭で、費用は着払い送料のみとなります。
お問合せフォームからその旨ご連絡いただけますと幸いです。
ブログからのご応募は5月28日までとさせていただきます。
追記2021.05.23 上記の提案は勝手ながら撤回させていただきます。ご検討いただいた方におかれましては大変ご迷惑をおかけいたしました。心よりお詫び申し上げます。コメント欄をご参照ください。
結び
ふう~、今回の記事を書くのは結構大変でした。
2020年度ヒラタクワガタ飼育記録はここで一つ区切りをつけたいと思います。
しかし今後も本土ヒラタクワガタブリードは挑戦したいなあ。
国産ヒラタでは、本土ヒラタがなんだかんだ一番好きなのです。
2020年度の経験を次に活かしたいですしね。
それでは!
こんばんは以前、コメントさせて頂いた者です。長い月日をかけて育て上げた個体がどうも国産種で無かったとは、とても残念な結果ですね、当方も以前、自己採集(65ミリ)をブリードした事がありました。発酵マットで60ミリがアベレージでした。後々、考えるとマットの劣化で大きく育った無かったのかと思いました。さてヤフオク等々からの購入には本当に慎重にならなければならないと思ってます。何年間も出品されている方々しか当方は落札しない様にしてます。あと血統個体はいわゆるご本家のみしか落札しません。やはりブリードするには多くの出費、そして時間が重みますからね、さて他者にお譲りされるとの事を記載されてますが大変に失礼だと思いますが私個人的には辞めた方が良いと思います、いくら鑑賞用と思ってお譲りされても転売される可能性もあります。偽物がまた他の飼育者のもとへの繰り返しかも知れません。最終段階ですが自信のもてない個体でしたら御自身の手で殺処分するのも飼育者の責任かと? 生き物なので可哀想な気持ちも分かるつもりです。当方の様な意見もあると考慮して下さいませ。
ツツミ様
私の弱さゆえに自分の自信のもてない生体を人様に譲ると書いてしまいました。
その対処は間違いだと私も思います。生体たちは私が責任を持ちたいと思います。
真摯なコメント、心より感謝いたします。
こんにちはこの度は当方の意見を聞いて頂き有り難うございました。ブログをはじめSNSをしていたら色々な意見が入ってくるものです。 さて産地とかについては当方も昔はすごく拘っていましたよ、オオクワを例にしたら能勢と阿古谷とか久留米と佐賀、私の住んでいる岡山県では津山が有名ですが上横野、下横野 ほとんど同じ地域なんです。ある時、大ベテランのブリーダーさんから言われたのですが貴方の家でブリードしている地点で既にツツミ産ですよ!と つまり我が家のブリード環境なのですから確かに、そうだなぁーと思いました。 ヒラタクワガタはオオクワと比較したら移動性が大きいと思ってます。九州は対馬の影響もあるかと? ビークワ特集に記載されていたような それはさておいて 宮崎に拘らなくても山中様血統としてブリードを続けていかれても良いのでは?と 当方はあかがね血統と言うのを飼育してますが 新居浜市産だとは拘ってませんし、多くのブリーダーもあかがねと言うネームバリューで認知されているのだと思ってます。 大切な事はせっかくの命なので愛情を持って飼育し、販売される場合はヒラタクワガタ(ハイブリット)として頂けばと思います、お互い楽しんでクワガタライフを過ごしましょう。
ハイブリッドの山本血統、いいですね。
夢だわ~
30年来九州でヒラタ採集しておりますが、大型になると普通に見る顎のカタチに見えますけどねえ・・・
九州は北部と南部でだいぶ形が違いますし。
今でこそ、壱岐ヒラタとかも血統のように言うてますが、私が子供の頃から友人は壱岐の島の親戚のところにば行ってヒラタ捕まえて、夏が終わればその辺に放してました。
30年前から交雑してると言えばしてます。
宮崎のじいちゃんの所で夏休みに捕まえて福岡で離すとか。
子供の頃は帰省先で採ってきて、夏が終われば逃すのが恒例でしたねー
顎の長いのやら、太いのやら色々居ますよ
貴重なご意見、また体験されてきたことのお話、ありがとうございます。
子どものころはそれは自然なことですよね、それもまた現実なのでしょう。
ですがそう考えると九州産のヒラタクワガタは難しい…ので、一旦関東産に撤退しようかと思います(;^ω^)
九州に帰省して捕まえて、関東のその辺に放すのも普通じゃなかったのですか?
関東だけが大丈夫という根拠があるのですか?
よく、地球温暖化でセミやらクワガタの北限が上がってきた、なんてこと聞きますが、それって「元々そこに住んでなかった種類が居る」ってことですよね。
狭い日本でここまではダメで、ここからはOKなんて線引くのはあまり意味が無いと思うのは私だけでしょうか
それは、ダメだと思います。
いやーあんな少しの違いがわかるなんてすごいですね!
本土ヒラタをず~ッと見てきた人にはわかるのですね。ほんとすごいです。
今更のコメントですが、この本土ヒラタは宮崎にいるサキシマ系本土ヒラタですね。
数十年前から存在が確認されています。
誰かが放虫して誕生した雑種とは訳が違います。
ブリードする価値があったと思いますよ。辞められるとの事で残念です。
コメントありがとうございます。
サキシマ系本土ヒラタだとすると、種親も同腹個体も皆、大アゴの形が同じになるのではないでしょうか。「クワガタムシで同じ親から生まれた兄弟で個体変異幅を除き異なる形質の子が羽化した場合、その個体はすべて雑種であると思われます」とご指摘受けました。
ですよねー!どうしてあんな交雑種が出るのでしょうか?
初めまして
本土ヒラタの幼虫の最終体重から成虫のサイズを知りたいと思い、探している時に発見致しました
宮崎のヒラタなのですが、昔から内歯が上がる個体がいるようです
なので、この個体も宮崎では一般的な個体となります
なぜ、このようになったのかは分かりませんが、この形質がその地域全体で見られるようになるにはかなりの時間を使ったと思います
昆虫飼育が広まる50年ででるようになったとは思えません
また、クワガタも枯木の中にいた個体が倒れて水の中に入り、そのまま流され違う島に辿り着いた。ということもあるそうです
そのようであればとても面白いと思いますし、自然分布なのでその産地を飼育してみたいとも思います
宮崎にずっと住んでますけど、それ普通の宮崎産本土ヒラタに見えます
今年、久々に野外から取った♂60と同じウロにいた♀から育てました
10月割り出し4月羽化の早期羽化個体群ですが60〜66ミリでの羽化帯です
たぶん本州と九州では虫も多少なりとも違いますから地域差でしょうね
バカらしい話だと感じてしまった。法律で輸入を規制もせず、野放しの状態で交雑種が出たと騒いでどうするというのか?
なんなら、虫好きのコミュニティには貴殿のような研究者もいれば単なる虫好きで海外品種を積極的に飼育している人も少なからずいるはずだ。
こうなるのは明々白々。まずは海外品種を購入飼育してる連中の批判と、行政や立法への働きかけが必要。私個人としては海外品種を自由に飼育できるのだから法律がゆるしているなら勝手にブリード個体を自然へ返しまくりたいという気持ちでいっぱいだ。
九州北部だと結構ツシマヒラタあたりの離島ヒラタとの自然交雑があるようです
流木か何かで行き来があるのでしょう