初めてのヒラタクワガタ採集体験を語りたいと思います。
都内多摩地区の某公園を自力で探し出し、そこで採集した時の話です。
都内のフィールドを求めて
大学を留年して卒業し、26歳位のことだったと思います。
昨年、狭山丘陵の森でコクワガタの初採集に成功して以来、私は都内のもっと近場でクワガタが採れる場所を探して、ガイドブックをもとに多摩地区をさまよい歩いていました。
コクワガタ初採集体験の記事はこちら↓
上の記事でも書きましたが、東京都内のおススメ自然観察場所ガイドブック的なものを参考にするのです。
公園とか遊歩道とか載っているやつです。
ポイントは、ひとえに「クヌギ、コナラ、雑木林」でした。
いまならネットで「東京、クヌギ、雑木林、公園」とかで検索でしょうか。
大体よくあるフレーズが「こちらには昔ながらの武蔵野の雑木林が残っています」とかなんとか書いてあるところを探していきました。
私は主に京王線か小田急線沿いでいけるところを見ていました。
そこで見つけたのが府中市にある某公園でした。
時は5月の終わり頃だったと思います。
公園といっても、遊具があるようなところではなく、小高い丘のある雑木林の一帯をそのまま保存して残したまさに自然観察を楽しむための公園です。
20分もあるけば、園内の外周を一回りできるくらいの広さです。
住宅街を歩いて小道を入ったところに突然パッと現れるのですが、初めてそこの中に踏み入れた時から、自然度の高さはすぐにわかりました。
そしてその丘を中心とする公園の敷地内のそのほとんどがクヌギとコナラで構成される雑木林でした。
これは期待できるぞ!とすぐに思いました。
園内を歩いてみると
公園に到着したのが15時頃だったと思いますが、早速園内に踏み入って、樹液の出ている木を探していきました。
1時間ほどで、一通り見て、樹液の出ているポイントの木を10か所ほど見つけ出しました。
かなりの手ごたえです。
見回りの段階で既に、コクワは採れていたと思います。
当時の私は採集経験があったクワガタはコクワだけでした。
だからまずはここでもコクワガタを採ろうと思っていたのです。
武蔵野の雑木林にはコクワガタがいるというのが私の当時の実採集体験からもっていた唯一の知識でした。
そして一度園内から出て、小道沿いの土手に座り込んで、採集ノートを付けました。
その時は気合入っていましたからね。
採集ノートに手書きで公園の地図を書いて、今歩いて発見したポイントには印をつけたりしていました。
19時になり採集開始
19時まで待って、ついに本格的な見回り、採集開始です。
結果は好調で大体のポイントで、コクワガタがとれました。
まあ狭山の森に比べるとちっこいのが多かったですが。
5月の終わりにはコクワガタは出始めているのだと、確認しました。
昨年の狭山の森でコクワをたくさん採ったのは、8月20日過ぎ位でした。
このことでコクワガタは、カブトムシや大型のクワガタが減った晩夏に多く見られるということを確認しました。
今回は、コクワガタは、早ければ5月から見られるということを確認できたわけです。
雑木林があって、樹液のある木があれば、クワガタは採れるということですね。
ポイント巡りのちょうど半分くらいまで来たところだったでしょうか。
雑木林の小道から林の中に足を踏み入れて向こう側の小道までの間にクヌギの木があります。
その根っこの部分に樹液が出ているのを事前の見回りで確認していました。
早速根っこに近い部分に光をあてると、クワガタが素早く、その樹皮のめくれた隙間に隠れるのを発見しました。
クワガタのサイズはちょっと大きめです。
お!これは、この公園としては大きめのコクワだなと思った私は、ピンセットを樹皮の隙間に入れて、そのクワガタを手繰り出そうとました。
結構格闘しましたが、10分ほどの時間だったかと思います。
ついにクワガタが出てきてそれを捕獲することに成功しました。
すると、明らかにコクワガタとは違う種類のクワガタが出てきたのです。
そう!それこそまぎれもなくヒラタクワガタでした!
「おおこれは!ヒラタクワガタだーー!」
「この公園はヒラタクワガタも採れるんだ、す、すごい!」
私は大興奮で、再び小道に戻り、タッパーに、ヒラタクワガタを入れました。
「つ、ついに、天然のヒラタクワガタを採った、やったー!!」
すごく嬉しかったです。
ヒラタクワガタが採れるとは全く思っていませんでした。
っていうかコクワガタ以外のクワガタがどこにいるのかその時はまだ皆目わかっていなかったのです。
あの憧れのヒラタクワガタが都内の新宿から電車で一時間もしないところで採れることを知って興奮しました。
当時の私の新しい知識、武蔵野の雑木林では、ヒラタクワガタも採れるんだあ~
家に帰ってから測ると、45mmのヒラタクワガタでした。
いや~あの時のあのヒラタクワガタは本当に神々しいまでにカッコよかった。
採集はまだ終わりじゃない
話を採集の途中に戻します。
再び喜びながら、残りのポイントを回りました。
そこでまたちょっと大きめのクヌギの根元部分に樹液が出ていて、そこにも光をあてると、コクワガタが4~5匹いたので、片っ端から採りました。
ぐずぐずしていると逃げてしまうので、光を当てながらその手首にビニール袋を提げておいて、もう片方の手でどんどん捕まえてどんどんビニール袋の中に入れていく、という方法をしていました。
そこのポイントが採り終わったら、ビニール袋を開いて中身を確認します。
小道に戻り、4、5匹いるはずのクワガタを確認しました。
全部同じ位の大きさのコクワガタだと思っていました。
大体みんな30mm位だったと思います。
一応一匹ずつ光をあてて、確認してから、タッパーに入れていきました。
その中で一匹だけ、他のと形が微妙に違うように思える個体がありました。
ん?ちょと待てよ。
じーっとよく見てました。
「これ、小さいけど、ヒラタじゃないかーーい!」
よく見たら確かにサイズはさっきのよりだいぶ小さい30mm位でしたが、まぎれもなくヒラタクワガタでした。
「おおー、やったー!ヒラタが、ヒラタが2匹も採れた!すごい、すごーーい!」
大喜びです。
一度の採集でヒラタクワガタを2匹も採集できるなんて、うれしいし、またコクワだけでなくヒラタも採れるフィールドを自分で探しだしたことにホントに感激しました。
ポイント巡りも終わり、帰り支度
コクワガタは大体、公園に逃がして、恐らくヒラタクワガタ2匹だけを持って帰ったのではないかと思います。
すごいいい気分で電車に揺られながら帰りました。
ひそかにバッグの中のタッパーに入ったヒラタ2匹をちらちら見ながら帰りました。
後日談
帰宅して、意気揚々と、自分の部屋に戻り、今日の収穫物を改めて眺めて、「ヒラタクワガタ、すごい!カッコいい!小さいのもいい!」とかぶつぶつ言っていたと思います。
しかし!ここで大きな過ちを私は犯してしまったのです。
私はこの体格差のある2匹(45mmと30mm)のヒラタクワガタを、こともあろうに一つの小ケースに入れて寝てしまったのです。
翌日。
朝目を覚まして、早速、愛するヒラタクワガタ2匹にあいさつしようと小ケースのふたを開けました。
45mmのヒラタが出迎えてくれました。
そしてもう一方の小型のヒラタはと見回すと、30mmのヒラタは、頭と胴が別々になっていました。
「ギャーーーー!な、なんていうことだーー!」
「おれの大事なヒラタちゃん、お前何してくれるんだよーー!」
とヒラタ45を責めても後の祭りでした。
私、実はその時ヒラタクワガタを飼ったもの初めてだったのです。
ヒラタクワガタがそんなに気性の荒いクワガタだとは知りませんでした。
「はあ~、なんてこった~。おれにとっては初めてのヒラタクワガタで小ヒラタのことも大切に思っていたのに_| ̄|○」
先立つものは、知識と経験、そして人脈だったのです。
(おれは府中産じゃないよ、宮崎県産だよ~)
結び
その後、ヒラタ45mmは大事に飼い、メスはいなかったのでそれだけはデパートかなんかで買ってきて、子どもたちの繁殖に成功しました。
(当時はまだむし社も生体販売はしていませんでした)
ただ今でも、あの小ヒラタのことは残念なことしたなあ~と思っております。
2匹とも本当に大事に飼いたかったのです。
初めての個体というのは特に思い入れがあるものですよね。
以上、初めてのヒラタクワガタ採集体験記でした。
それでは!