2021年度版本土ヒラタクワガタ大型個体作出のためのブリード改善プラン

2020年度の本土ヒラタクワガタの羽化が出そろいましたので、そこで得た知見を糧に、ブリードの仕方を改善しつつ、2021年度本土ヒラタクワガタの累代頑張っていこうと思います。

 

目標は、オスは今年どうしても出せなかった70㎜オーバー、メスは40㎜オーバーです。

 

 

2021年度、ブリードの改善点

 

以下の3点において改善を考えています。

 

1.産卵セット投入のタイミング

2.温度管理は?

3.菌糸ビン OR マット飼育?

 

産卵セットの投入のタイミング

 

2020年度はメスを産卵セットに5月30日に投入しました。

 

2週間の産卵セットの投入で、24頭の幼虫を獲得することができました。

 

2021年度はメスの産卵セット投入を7月15日前後に定めようと思います。

 

1~2週間でメスを取り出し、8月の初旬に初令幼虫を割り出すプランです。

 

昨年度は産卵時期が早すぎて、特にメス幼虫が早く成熟してしまい、ほとんどのメスが晩秋、11月には羽化してきてしまいました。

 

メスの大型化を目指すためにも、なるべく長く幼虫をやっていてほしいところだったのですが、早い時期の産卵は早期羽化につながってしまいます。

 

我が家の夏の自室クーラーによる温度は25度におさえるのがやっとであり、それが7月~9月の温度帯で、10月11月も20度~23度位でしたので、メス幼虫はこの温度帯で、ほとんどが早期に成熟してしまったのです。

 

本土ヒラタクワガタ70㎜オーバーを目指すにあたって、なるべく大型のメス(40㎜オーバー)を作出して、大きな卵を得ることはとても重要であるため、メスを大型化させる工夫が大切です。

 

幸い2020年度のメス羽化個体で12月羽化で40㎜が1頭出ましたので、今年の種親はこのメスを使おうと思います。

 

本土ヒラタクワガタ産卵セットの組み方の記事(2020年度)はこちら↓

 

産卵セットから割り出しまでのプロセスの記事(2020年度)はこちら↓

 

温度管理

 

温度管理は、2020年度は冬場の簡易温室が肝でした。

 

冬場(12月‐2月)でも23度を維持して、越冬をさせずにえさを食べ続けられるようにしようとしたのです。

 

しかし、菌糸ビン内の温度の高さや簡易温室内の温度の高さをうまく計算に入れることができず、実際には23度以上の温度帯で11月12月も幼虫が過ごしていたのではないかと今となっては思います。

 

また6月下旬と早くに孵化させていたので、メスだけでなく、オスも早く成熟してしまい、昨年度温室管理したオスのほとんどが昨年度内(主に12月)羽化になってしまいました。

 

幼虫期間を長く、そしてその間成長し続けられるようにしようという目論見は、結果として、幼虫期間を短くし、早期羽化を招いてしまいました。

 

温室飼育組の羽化結果の記事(2020年度)はこちら↓

 

ある程度のサイズの個体を出すためには最低でも8か月は幼虫期間が必要とご指摘も受けました。

 

下手に温度管理をした羽化個体の羽化までの平均期間は、6か月前後となってしまったのです。

 

一方で、常温飼育組というのがいて、2回目のビン交換(菌糸ビンORマットボトル)で、比較的小さいサイズの幼虫たちを振り分けたのですが、その平均羽化時期は、今年3月4月でした。

 

羽化までの期間は10か月前後で、結果的にオスの最高サイズ69.5㎜の個体も出て、他にも69㎜が2頭羽化するという優秀な結果になりました。

 

常温飼育とは、私の場合、東京のマンションの自室内での常温管理ということですが、これがそこまで本土ヒラタの生育にとって悪い環境ではなく、むしろ、結果を見ると、ちょうどよかったように思います。

 

夏は25度でおさえ、12月-2月も、15度を下回らない、私在室の時は、暖房をかけているので、1日の寒暖差があるという欠点はあったとしても、おおむね冬場でも20度前後であったのです。

 

無理に温室に入れなくても、私の飼育している本土ヒラタクワガタ(宮崎県産)に関しては、自室内常温飼育のほうがうまくいく、ということがわかりました。

 

夏場(8月9月)は、自室内でクーラーつけっぱで25度でおさえ、それ以降は、自室内常温で飼育していくというのが、温度管理についての2021年度の改善点となります。

 

常温飼育組の羽化結果の記事(2020年度)はこちら↓

 

 

菌糸ビンORマット飼育?

 

本土ヒラタを、菌糸ビンで育てるか、またはマットボトルで飼育するか、どっちが結果がでるのかということですが、2020年度は、菌糸ビンとマットボトル飼育と2組に分けて、検証してみました。

 

2020年度の私自身の結果で見ると、結果は、そこまで変わらないのではないかということです。

 

つまり菌糸ビンで飼育した個体群とマット飼育した個体群で、羽化した結果のサイズの差はあまり見られませんでした。概ね、67‐69㎜でどちらでもかえりました。

 

もちろん、使った菌糸ビンによってもっといい結果が出るということもあるかもしれませんが、私はマットでも十分に結果を出せると実感しています。

 

実際に、10月の菌糸ビン・マットボトル交換時に体重を計測したところ、オスの幼虫の平均体重の平均値が高かったのは、マットボトル組みでした。

 

また常温+マット飼育で育てた幼虫から、最高サイズの69.5㎜が羽化してきました。

 

このような結果から、2021年度は昨年度と同じマットを使って、全幼虫をマット飼育で育てていきたいと思います。

 

2本目交換時にマット飼育の幼虫とと菌糸ビン幼虫の体重を比較した時の記事(2020年度)はこちら↓

 

マットは、フジコンのクワデブロPro発酵マット10L(598円)を使用しました。

 

こちらはかなりリーズナブルな価格で、しかもしっかり結果も出してくれたので、私はいいと思っています。(但しコバエには要注意ですが(;^ω^))

 

ちなみに菌糸ビンもフジコンのオオヒラ茸DHボトル800ml(348円)を使いました。こちらも菌糸ビンのとしてはリーズナブルですね。

 

結び

 

以上が2021年度のブリード計画改善点となります。

 

種親は、メスは昨年12月羽化の40㎜、オスは同じく昨年12月羽化の69㎜を使おうと思います。

 

産卵セット投入までまだ時間がありますので、いまはたくさんゼリーを食べて、栄養を付けておいてほしいと思います。

 

メスは、現時点で、もうかなり活発にゼリーを食しています。

 

 

オスも最近ゼリーを食すペースが上がってきたように思います。

 

まあ、早期羽化してくれたおかげで、今年も続けてブリードができるので、それはそれでよかったのかなあとも思います。

 

それでは!