以前の記事で、オオクワガタはクワガタ飼育初心者におススメだと書きました。↓
今回は、オオクワガタを問わず、クワガタのブリードを成功させるのに最強だと私が思う秘訣をご紹介したいと思います。
ずばりそれは「放っておくこと」です。
なぜ「放っておく」のが最大の秘訣コツなのか?
放っておくとは、その生体を、各ステージでベストの環境を作ってあげたら、後はなるべく触らないでそっとしておいてあげるということです。
成虫飼育の場合
(神奈川県産ミヤマクワガタ62mm)
成虫を飼育する場合でも、彼らに一番ストレスがかかるのが、人間の手でいじられることです。
それが毎日数十分にわたって、続けられるとそれだけでクワガタは疲弊して、弱ってしまいます。
えさ替えでケースを開けるのは必要なことですが、必要以上にクワガタを手に取って触ってみるということは、彼らにとってしんどいことなのです。
もちろん、こちらは飼っているわけですから、たまには思う存分触れ合いたい、触りたいと思うことはあっていいと思いますが、たまに、にすべきなのです。
産卵セット
(神奈川県産ミヤマクワガタ♀)
クワガタの産卵セットを組んだ後は、メスを入れて静かな場所に置いて、そっとしておくことが、メスに産んでもらうためには必要ことです。
ケースをそっと開けるくらいならいいですが、埋めてある産卵木を出してみたり、メスがどこにいるのかマットを掘り返したり、またはメスに触ったりの刺激を与えることは、産卵モードに入ろうとしているメスを妨害している以外の何物でもありません。
産卵セットを組んだ後は、えさの状態をみたり、霧吹きを使う以外はいじらないことです。
基本的には、1か月前後は放っておく、そっとしておくことが肝心なのです。
幼虫飼育
(ヤエヤママルバネクワガタ3令幼虫)
幼虫飼育も成功させる最大の秘訣は放っておくことです。
菌糸ビンなりマット飼育なりで飼育することになると思いますが、どちらにせよ、一度入れた幼虫は、次のえさ交換の時までは掘り返さないのが原則でしょう。
幼虫は成虫よりも脆くはかないものですから、自分の成長環境から頻繁に表に出されるのは幼虫にとって最悪のことです。
また幼虫は自分のペースで少しずつ自分の成長環境を作りながらえさを食べ進んでいくので、掘り出し行為はせっかく幼虫が成長のために作った環境をも壊しかねないことになるでしょう。
一度、菌糸ビンやマットの中にいれ、次回の交換時期を決めたら、その時が来るまでは、幼虫を掘り返さないということが、彼らの成長を安全なものにするために必要なことです。
蛹
一番神秘的かもしれないこのステージも、大前提は静かにそっとしておくことです。
菌糸ビンをむやみに振ったり、掘り出して触ってみたりするのはなるべき避けるべきです。
人工蛹室等の対処が必要な時だけに限定すべきです。
蛹はじっくりと次のステージ・羽化に向けて体内を整えている時期なので、なるべくそっとしておき、ビンの側面から見えるものを観察することに徹しましょう。
羽化
菌糸ビンの中で羽化が確認できた時ほど、すぐに掘り出したくなりますよね。
しかしまだ体が柔らかい内、色が赤みを帯びているうちはなるべく掘り出すのは避けたほうがいいです。
正直、私も羽化して、1週間位で掘り出してしまうことがあります。
羽化不全とか気になりますからね。
そんな時でも、ちょっと見たらすぐにそっと戻してあげます。
生体が確認できた後、羽化後一か月位はそっとしておいてあげるのが、彼らにとってはストレスがなくていいと思います。
結び
(福建省産ホペイオオクワガタ72mm)
結局クワガタ飼育は、どれだけやるべきことをやって、後は彼らを放っておける(そっとしておける)かにかかっているのではないかと思います。
それが出来たとき、私自身もオオクワガタを産卵から羽化までもっていくことに成功したのだと思います。
特に10代くらいまでは、生体のことが気になって気になって仕方なく、いじってしまいましたが、それがどれだけ彼らの体力を奪い、環境を台無しにしていたのか全くわかりませんでした。
人間と同じで、干渉されすぎるとストレスにさいなまれ、自分の好きなようにやらせてもらえるとおのずと伸びていく、みたいなことでしょうか。
これが私の思うクワガタブリード飼育の最大の秘訣です。
それでは!
その通りですね。
改めて再確認させていただきました。
ありがとうございます。
私はそれがある程度できるようになったのは、20代になってからです。